??政治学=賢い??


ルソーの社会思想がけっこう面白くて好きだったのですが、その人となり、生き方を知ると幻滅してうっとうしくなってしまいました(笑)


例えば、ルソーは当時の教養人たちを「上っ面の礼儀、見せかけの教養だ」と辛辣に批判し、「学問・教養によって社会の道徳心が腐ってしまった!」と言い、続いて子供の教育についての提言を広げていきます。


しかしルソー自身は、この教養人批判の論文でアカデミーの最優秀賞という栄誉を得、教養人向けの百科事典の編纂に携わり、さらに自分が愛人との間にもうけた5人の子供を5人とも棄ててしまったのです。


そんな人に道徳について語られたって…(苦笑)「あんたもちやほやされたい教養人の一人じゃないのかw」と言いたくなったりもします(笑)


もちろんルソーの論文はそれでも面白いのですが…「この人本気でそう思って書いたんだろうか、賞を狙って書いたんだろうか…」と混乱します。



私は高校の倫理の授業で知った時からカントが好きなのですが、カントは実直で規則正しい生活(カントがきっかり同じ時間に散歩するのを近所の人が見て時計がわりにしたとか言われるほど)で人付き合いも良く…という話を聞くと、その人の哲学思想により信憑性を感じられるというか。「この人が真剣に考え究めたことなんだな」と敬意がわきます。



最近、「政治学をやってると言うと ”wow genious!” 賢いんだね!と言われるけど政治学の何が偉いんだろう」と考えていました。

政治学なんて、経営学や文学と難しさは変わらないと思うし、私にとっては物理学や生物学の方がよっぽどgeniousです…。


ですが、ルソーとカントの件を通して、「社会を良くすること・政治について語る者は、自身の行いも矛盾なく正しくなければ認められないのだな」と思いました。

偉大な化学者がヘビースモーカーでもあまり関係ないと思うのですが、不平等の是正を語る政治学者が贅沢で肥満だったら信用できないですもんね。

だから政治学を学ぶ者は、自分の生活態度にも気をつけなければならないので、偉いのかもしれません。(Geniousだね!と言ってくる人はそこまで考えてないと断言できますが笑)

政治学者や政治家になるつもりはないですが、「社会をよりよくしたい」という思いで学ぶ者として、真摯な人になれるよう努力したいと思うようになりました。

Monamieの留学ノート

2017年8月よりパリ政治学院で交換留学生として学んでいます。 学校での学びだけでなく、生活の中で感じ、考えたことを書き残していきます。

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