皆が幸せに暮らせる社会ってどんなだろう

フィンランドに留学中の友達と話したことを通して考えたことです。


幸福度調査でフィンランドが世界一位になったときに、元大統領の夫人が「フィンランドが一位なら他の国はどんなに破滅的なのか」と言ったそうです(ちょっとあいまいです)。

なんだか気になるネガティブな反応。なぜ?


「それは、フィンランドは大して経済的に豊かな国ではないからかもしれない。

きっとその調査では、5段階評価中の5揃い!ではなく、4とか3.5とかが満遍なく揃っていて、総合的に他の国よりも高い評価になったのではないか。」…というのはフィンランドに留学している友人の見解でした。


フィンランドは、ものすごく幸せな豊かさがあるわけでもない代わり、ひどく不幸な問題があるわけでもない、というイメージなのだとか。


幸福度の高い社会って、モナコとかドバイとかみたいなきらびやかなリッチさとは違うんだってことくらいは理解できますが、フィンランドが幸福度一位というのも、なんだか「思ってたのと違うかも」って気がします。

そもそも「こんな社会であってほしい」みたいな理想像を具体的に描いていたわけでもなかった、というのにも気がついたのですが。


皆が幸せに暮らせる社会、というのを考えるとき、具体的にどんな世の中を思い描くのでしょう。居心地のいい家、豊かな食事、笑顔の絶えない人間関係…?

理想世界というのは、青空に虹のかかったようなユートピアではなく、

実はもっとくすんだ、可もなく不可もなく平凡な生活の世界なのかもしれません。




それにしてもフィンランドは、学力一位に加えて幸福度一位。

学力一位についてある教師が「そんな調査気にしてないよ」と言ったように、フィンランドの教育制度は何も先進諸国と競争して勝つという戦略をもってつくられたものではありません。それと同じく幸福度についても、別に世界一位になることを目指した政策をとってきたのではないでしょう。

それなのに、できちゃうやつフィンランド。


どっかの国は何かある毎に「我が国は先進諸国と比べて下から何番…」と国際ランキングを問題提起の根拠にしているというのに。面白い国です。もしまた長期留学できる機会が人生でまたあれば、選択肢に入れたいかもしれません。


日本はすぐ国際ランキングを参考にして「だから改善しなければならない」と繋げる印象が強いです。でもそうじゃない、他国と比べて改善するのが目的じゃなくて、実際の人々の暮らしを良くすることが目的ですから、他国との相対評価じゃなくて自国の絶対評価をこそ考えたほうがよいのですね。


たくさんの気づきを与えてくれる対話でした。

留学経験者と話すのってやっぱ楽しいです。

Monamieの留学ノート

2017年8月よりパリ政治学院で交換留学生として学んでいます。 学校での学びだけでなく、生活の中で感じ、考えたことを書き残していきます。

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